2014年2月14日金曜日

小保方晴子の疑惑論文1(Nature Article誌)

疑惑論文1: Nature Article
論文タイトル: "Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency"
Nature 505, 641–647 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12968
著者: Haruko Obokata (小保方晴子, Teruhiko Wakayama (若山照彦, Yoshiki Sasai (笹井芳樹, Koji Kojima (小島宏司), Martin P. Vacanti (マーティン・バカンティ), Hitoshi Niwa (丹羽仁史), Masayuki Yamato (大和雅之), Charles A. Vacanti (チャールズ・バカンティ

疑惑画像1:  小保方晴子氏のNature Article論文のFig.2e下段のSTAP細胞由来テラトーマ免疫染色画像と、小保方晴子氏の博士論文のFig.14下段の骨髄sphere由来テラトーマ免疫染色画像が、類似しており、不正な画像の流用が疑われます。
https://twitter.com/JuuichiJigen/status/442525724252323840
https://twitter.com/JuuichiJigen/status/442539625127505920



理研の調査委員会の中間報告の問題点

小保方晴子氏の博士論文から流用されたNature論文の画像Fig.2eを、pdfから抽出すると上部に博論画像を一部切りそこなった痕跡を確認でき、黒塗りで隠されていたことがわかります。これは、意図的な捏造、改竄を示唆しています。この加工の指摘に関して、先日の理研の記者会見で質問されましたが、調査委員会はよく把握していなかった様子でした。委員らは、世界変動展望 著者氏のブログ記事 ”小保方晴子が筆頭著者の論文の不適切さについての(2-5)の指摘を参照しましょう。







疑惑画像2小保方晴子氏のNature Article論文のFig.2d中央下段のSTAP細胞由来Mesoderm免疫染色画像と、小保方晴子氏の博士論文のFig.11中央の骨髄sphere由来Mesoderm免疫染色画像が、類似しており、不正な画像の流用が疑われます。
https://twitter.com/JuuichiJigen/status/442569716453105664






Natureの実験画像に関する規程(Image integrity)によると、「異なる時期、異なる場所で得られた画像は一つの画像として合成してはならない。もし、画像を対比させて並べる必要がある場合は、画像の間に明確に境界線を引き、図の説明文に記述しなければならない。」とあります。このImage integrityの規定に、小保方晴子氏のNature Article論文のFig.1iが違反している可能性があるわけですね。
以下、規定の一部を抜粋。
Images gathered at different times or from different locations should not be combined into a single image, unless it is stated that the resultant image is a product of time-averaged data or a time-lapse sequence. If juxtaposing images is essential, the borders should be clearly demarcated in the figure and described in the legend. 
The use of touch-up tools, such as cloning and healing tools in Photoshop, or any feature that deliberately obscures manipulations, is to be avoided. 
Processing (such as changing brightness and contrast) is appropriate only when it is applied equally across the entire image and is applied equally to controls. 
Contrast should not be adjusted so that data disappear. Excessive manipulations, such as processing to emphasize one region in the image at the expense of others (for example, through the use of a biased choice of threshold settings), is inappropriate, as is emphasizing experimental data relative to the control. 

さらに、下記のような疑惑も上がっています。






254 :クロ:2014/02/23(日) 19:15:38.10
>>228
免疫で遺伝子やってるやつならわかる。
TCRのDNA解析でレーン3のGLにバンドがない件は全然おかしい。
500bpほどのDNAが増えるのに、同じmicrotube中で
2kB程度のTCRbeta-DJ断片が増えないんだよ。そんなPCRはない。
PCRを経験した人なら、増えるべきDNAに500bpと2.5kBの2本があるとき、
両方のバンドがでることはわかる。長い方が全然見えないって変。

おれも最初は長いDNA断片がPCRで増えにくいからだと思ったよ。
だけど2.2kBとかそんな長さなんだから簡単にふえるよ。

ここでJEM論文中の例(GLバンドが弱いケース)を示す人がいるが
そのJEM論文でもTCRbeta D-JはGLのバンドがよく出ていることを見てほしい。
一方、V-D-Jだというんと長いので(ゲノム上10kb以上は離れており)、
さすがにGL型のところにno bandだが。

著者は意図的にGLがバンドがないように見せることによって、
分化後のT細胞を用いたことを示そうと細工したようだ。
しかし、TCRbetaでは対立遺伝子排除が働くので片方の相同染色体では
GL型の配列をもつはず(よってJEM論文のようにGLにバンドが出るはず)。それを知らずに馬脚を現した。

517 :PCR:2014/02/23(日) 20:30:00.81
PCRをしたことがある人に質問だが、2.2kBと500bの断片が増幅する
(しかも長いほうがやや多く含まれている)系で、全く2.2kBのバンドが出ないとき
そのPCRはうまくいっていると思おうか?
ましてやそれをNatureの図に使うか?しかもレーンの切り貼りをしてまで?

>>254にあるように、Nature論文ではTCR betaのD2 とJ2.6間でPCRしており、これは
GL型(つまりTCR再編成前の)ゲノムDNAでは2kBちょっとしか離れていない。
それがPCRで全く増えず全くバンドが見えない。
TCRのVとJ間でのPCRなら距離が遠すぎて増えないのはわかるが2Kbなら増えるはず。
しかもレーン3以外ではしっかり増えてる。 



疑惑画像4:  図3bのコントロール(未刺激)細胞のOct4-GFP(緑色)の蛍光顕微鏡写真(左下)の下部中央になぜか赤い細胞が存在し、さらには、バックグラウンドもControl画像とLow-pH-treated cellsの画像との間で異なるため、ネガコン(陰性対照)画像として不適切という疑惑が浮上しています。



疑惑動画:  
STAP細胞の動画 (Fis-dur日記帳)にて、Nature Article誌論文に掲載されているSTAP細胞の動画2は、「細胞が、酸に暴露され、細胞質を噴出して、死細胞と化し、緑の自家蛍光を発し、マクロファージに食べられ引きずり回される動画」ではないのか?という指摘がなされています。
また、理研提供の動画(Pluripotent cells generated by STAP/ リンパ球初期化3日以内 の動画)の10-11 秒 辺りで、細胞質噴出が確認できます。





この論文については、下記アドレスのPubPeerサイトでも議論されています。

小保方晴子の疑惑論文2(Nature Letter )

疑惑論文2: Nature Letter 
論文タイトル: "Bidirectional developmental potential in reprogrammed cells with acquired pluripotency"
Nature 505, 676–680 (30 January 2014) doi:10.1038/nature12969
著者: Haruko Obokata (小保方晴子), Yoshiki Sasai (笹井芳樹), Hitoshi Niwa (丹羽仁史), Mitsutaka Kadota (門田満隆), Munazah Andrabi, Nozomu Takata (高田望), Mikiko Tokoro 野老美紀子), Yukari Terashita (寺下愉加里), Shigenobu Yonemura (米村重信), Charles A Vacanti (チャールズ・バカンティ, Teruhiko Wakayama (若山照彦

http://www.nature.com/nature/journal/v505/n7485/full/nature12969.html

Fig1b最右画像とFig2g下画像の胎盤部分だけが、なぜか互いに類似しています。しかも2つの画像の実験条件は互いに異なっています。前者はSTAP細胞のキメラマウス、後者はFI-SCのキメラマウスの写真です。両画像の解像度が異なるためもあり、完全には一致しませんが、二つの画像は異なる実験によって得られたものとされているため、極めて高い類似性を示すことは不自然です。これほどの高い類似性は、不注意ミスであるにせよ、意図的(故意)であるにせよ、同サンプルが複数回撮影されて別目的に使いまわされた可能性や、同一画像の胎盤部分を画像編集加工し流用した可能性などを示唆しています。いずれにしろ、生データ(実験ノート、写真のデジタルデータ、データの作成日や改変日)などを調査しないかぎり、真相は明らかにならないでしょう。小保方晴子氏の学位取得申請に重要であったTissue Eng Part A(疑惑論文3)の実験画像においても、多数の類似性が認められており、加工(上下反転など)を行ったうえでの流用の可能性があったことも考慮すると、このNature Letterの論文の疑惑データについても、詳細な調査が求めらます。



疑惑画像5 ↓ Fig.1bと2gの胎盤画像を比較してください。高い類似性が確認できます。



朝日新聞の記事→ 共著者の山梨大学の若山照彦教授は、「同じマウスで角度が違う写真を2回使ってしまい、一方の削除を忘れた単純ミス」と説明した。若山教授はSTAP細胞を使いマウスを作製し撮影した。一つの胎児に対し向きを変えたりひっくり返したりして何枚も撮影。複数の胎児で計数百枚撮ったという。その結果、小保方さんが勘違いし同じ胎児の写真を使ってしまった。1人で追加実験をしながら図を作製するなど、忙しすぎたことも勘違いの要因の一つという。 加えて「論文を何度も書き直し、最終的に2枚目の写真は本文と関係がなくなっているが、削除を忘れた」と話している。(Nature誌記事における若山照彦教授のコメントも参考にしてください。)


疑惑画像6: Nature Letter論文のFig.1aの胎盤と羊膜のLong exposure(長時間露光)写真は、実際は通常露光写真と緑の蛍光強度が同じであることが判明し、長時間露光では無いのではないか?という疑われています。このバックグラウンドの緑蛍光が長時間露光でも変わっていないという問題は、PubPeerで指摘されています。 また、Fig.1bだけ胎盤の赤い自家蛍光が見えますね。一方、対照のFig.1aのESキメラの胎盤画像にはそのような赤い自家蛍光が見えません。また、胎児の緑の蛍光も、Fig.1aに比べ、Fig.2bが明るくなっています。つまり、両者でサンプルを準備するさいに、何かしらの人為的誤差があった可能性や撮影条件に違いがあった可能性もあり、両者を単純に比較することはできず、Fig.1bのSTAPキメラの胎盤・羊膜の緑蛍光も自家蛍光の可能性もあります。また、Fig.1aとFig.1bのLong exposureの画像は、胎児部分が除かれて胎盤と羊膜の部分だけが掲載されており、不自然という声が前々からあがっていました。論文内の記述によるとSTAPキメラは10匹作製され、そのうち6匹に胎盤、羊膜に緑の蛍光が認められたようですので、著者らはそれらの画像を全て公開し、疑惑を晴らすべきでしょう。




疑惑画像7: 
蛍光の漏れによる、偽陽性シグナルを取り除くため補正が必要です。
FACSの基本中の基本です。

ぼやきの吉村(TCR再構成(2)): "また2報目のExtendedFig.5gのFACSは初心者の学生がやらかしがちな技術的な誤りがあるので注意を喚起しておきたい。単純なことなのでわからないかたはBDなどのメーカーに聞いて下さい。いずれも”酸処理で万能細胞が出来る”という論文の本質には関係ない些細なことかもしれないが、免疫の実験系を勉強してもらうにはよい機会ではないかと思う。"


疑惑画像?


この論文については、下記アドレスのPubPeerサイトでも議論されています。


Contributions

H.O. and Y.S. wrote the manuscript. H.O., Y.S., M.K., M.A., N.T., S.Y. and T.W. performed experiments, and M.T. and Y.T. assisted with H.O.’s experiments. H.O., Y.S., H.N., C.A.V. and T.W. designed the project.
なお、論文におけるContributionにおける記載内容から、
Mikiko Tokoro(野老美紀子)氏と、Yukari Terashita(寺下愉加里)氏が、小保方氏の実験補助をしていたと推測されます。


小保方晴子の疑惑論文3(Tissue Eng Part A誌 小保方第一著者)

疑惑論文3: Tissue Eng Part A 
(小保方晴子氏の学位取得申請において重要であった論文)
論文タイトル:  "The potential of stem cells in adult tissues representative of the three germ layers"
著者: Haruko Obokata (小保方晴子, Koji Kojima (小島宏司), Karen Westerman, Masayuki Yamato (大和雅之), Teruo Okano (岡野光夫), Satoshi Tsuneda (常田聡), Charles A Vacant (チャールズ・バカンティ, Tissue Eng Part A, 17 (2011)

Tissue Eng論文(学位業績)は、類似画像の多さからみて、うっかりミスによる貼り間違えなどという弁明は厳しいでしょう。これほどの多数の類似画像は、データ流用の故意性もしくは著者らのデータ管理の杜撰さ、研究内容の信頼性の低さを示唆しています。
東大医の小室氏(元千葉大医)らのように生データを紛失したとして真相をうやむやにし、プロトコルまで変えて再実験し、大量訂正するという逃れ方もできますが、いずにしろ、データ管理が不十分であると、誰も信用しなくなるでしょう。

なお、小保方晴子氏の学位取得に重要であった"Tissue Eng Part A"の論文のデータ流用疑惑については、この研究に科学研究費が使用されているようなので、文部科学省(日本学術振興会)や早稲田大学へ、制度に度づいて、調査を要求することができます

 → 
(再生医療本格化の為の上皮細胞を中心とした新規組織工学技術の開発 Research Project Number:08J05089)

類似画像8:
Fig.2のFgf5のバンド画像と、Fig.3のNat1のバンド画像が類似しており、データの流用が疑われます。


類似画像9: 
Fig.3のKlf4のバンド画像を上下反転させると、Fig.3のCriptoのバンドがに類似します。また、これらの画像の左から1列目と2列目のバンド画像は、Fig.4のNat1のバンドとも類似しています。上下反転という操作や、3つの実験画像にわたる類似性から、故意によるデータの流用が疑われています。http://blog.goo.ne.jp/lemon-stoism/e/008ac025ee1ccf4c694869f09b053ee7



















類似画像10: Fig.2のKlf4の左から1,2列目のバンド画像が、Fig.3のSox2の左から3,4列目のバンド画像と類似しており、データの流用が疑われています。

http://blog.goo.ne.jp/lemon-stoism/e/008ac025ee1ccf4c694869f09b053ee7












追記(2014年02月18日):2014年02月18日の朝日新聞報道によると、早大広報室は「仮に問題の画像が取り消されたとしても、博士論文の趣旨に影響しないと考えている」と発表したとあります。このような「データ流用はあったが論文の結論には影響しない」という趣旨のコメントを、研究不正を調査する立場にある研究機関(早稲田大学)が、調査着手前から、発表したのは異常です。これは調査機関自体が問題や不正を隠蔽する方向に動いていることを示唆しています。早稲田大は、生データを検証したり本人への聞取り調査もせずに、なぜ論文の趣旨に影響しないといえるのでしょうか?少なくとも4つの実験画像に亘ってデータ流用が認められる以上、意図的に行われた可能性や杜撰なデータ管理が推測され、論文の結論やその他データの信頼性も低いのです。

類似画像11: 
小保方晴子氏が第一著者のTissue Eng Part A誌論文のFig.1のFは、小保方晴子氏の博士論文のFig.6のFの画像と、互いに上下反転の関係にあります。不適切なデータ改ざんが疑われます。

↓ Tissue Eng Part A誌論文のFig.1




↓ 博士論文のFig.6



この論文については、下記アドレスのPubPeerサイトでも議論されています。
https://pubpeer.com/publications/20883115

小保方晴子の疑惑論文4(Nature Protocol誌)

論文タイトル: "Reproducible subcutaneous transplantation of cell sheets into recipient mice"
著者: Haruko Obokata (小保方晴子, Masayuki Yamato, (大和雅之), Satoshi Tsuneda (常田聡), Teruo Okano (岡野光夫, Nat Protoc, 6 (2011)
http://www.nature.com/nprot/journal/v6/n7/full/nprot.2011.356.html

小保方晴子氏の2011年のNature Protocol誌の論文は、(株)セルシード社の製品の細胞シートの性能に関するものでした。そして、論文の共著者である東京女子医大の岡野光夫教授や大和雅之教授は(株)セルシードの関係者であり、特に、岡野光夫教授は、有価証券報告書ではこの時点で同社株の大量保有者かつ役員でした(株式会社セルシード(E24158)の有価証券報告書(S0008294)によると東京女子医大の岡野光夫教授は2010年12月31日の時点で、当社株式138,000株と新株予約権1,010個を所有している)。このように、金銭的利益相反問題が存在するにも関わらず、このNature Protocol誌の論文には、”金銭的利益相反は無い(The authors declare no competing financial interests.)”と宣言していました。これらの虚偽記載もまた、彼女らの信用を大きく損なう結果となりました。
 詳細は、利益相反事項の未記載問題を参照してください。


この論文については、下記アドレスのPubPeerサイトでも議論されています。

小保方晴子の疑惑論文5(Tissue Eng Part A誌 小保方第二著者)

Tissue Eng Part A. 2011 Jun;17(11-12):1507-15. doi: 10.1089/ten.TEA.2010.0470. Epub 2011 Apr 12.

Development of osteogenic cell sheets for bone tissue engineering applications.

Pirraco RP1, Obokata H (小保方晴子, Iwata T, Marques AP, Tsuneda S(常田聡), Yamato M (大和雅之, Reis RL, Okano T (岡野光夫.
  • 1Institute of Advanced Biomedical Engineering and Science, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan.

東京女子医大の岡野光夫教授が責任著者の上記のTISSUE ENGINEERING誌論文(小保方晴子氏は第二著者)はセルシード社の関連の深い細胞シートに関する研究の報告をしています。
そして、論文出版当時、岡野教授はセルシード社大株主で役員でした。
しかしながら、岡野光夫教授らは論文中において、これらの事実に反して、金銭的利益相反を否定しています。
具体的に説明すると、Tissue Eng Part A誌( 17(11-12), 1507-1515.)論文中の "Disclosure Statement"の項目に、 "No competing financial interests exist." との虚偽記載があります。

なお、セルシード社ホームページのBone marrow stromal cells(骨髄間質細胞)の項でも、このTissue Eng Part A誌( 17(11-12), 1507-1515.)の論文は紹介されています。

、 

2014年2月13日木曜日

利益相反事項の隠蔽問題


利益相反問題1
 小保方晴子氏の2011年のNature Protocol誌の論文は、(株)セルシード社の製品の細胞シートの性能に関するものでした。そして、論文の共著者である東京女子医大の岡野光夫教授や大和雅之教授は(株)セルシードの関係者であり、特に、岡野光夫教授は、有価証券報告書ではこの時点で同社株の大量保有者かつ役員でした(株式会社セルシード(E24158)の有価証券報告書(S0008294)によると東京女子医大の岡野光夫教授は2010年12月31日の時点で、当社株式138,000株と新株予約権1,010個を所有している)。このように、金銭的利益相反問題が存在するにも関わらず、このNature Protocol誌の論文には、”金銭的利益相反は無い(The authors declare no competing financial interests.)”と宣言していました。これらの虚偽記載もまた、彼女らの信用を大きく損なう結果となりました。
 ノバルティスのディオバン臨床研究不正事件でも問題になりましたが、このような利益相反事項(論文出版により金銭的利益を得たり失ったりする可能性のある企業の社債や株の保有など)は、論文投稿の際に開示するべきとされています。特にNature Publishing はこの点に厳しく、その規定(Nature journals' competing financial interests policy)で、投稿する際には、投稿論文に利益相反があるのか無いのか、明記することを義務付けています。

↓ Nature Protocolの論文より引用 
Competing financial interests The authors declare no competing financial interests.

以下の3項目は、Natureの規定で、"金銭的利益相反(Competing financial interests)"として定義された具体的項目です。
1) Funding: Research support (including salaries, equipment, supplies, reimbursement for attending symposia, and other expenses) by organizations that may gain or lose financially through this publication.
2) Employment: Recent (while engaged in the research project), present or anticipated employment by any organization that may gain or lose financially through this publication.
3) Personal financial interests: Stocks or shares in companies that may gain or lose financially through publication; consultation fees or other forms of remuneration from organizations that may gain or lose financially; patents or patent applications whose value may be affected by publication.
(日本語訳)
1) 研究資金: 論文出版により利益を得たり失ったりする可能性のある組織(団体)からの研究補助(給与、装置、備品、シンポジウム出席のための支援、その他の経費)
2) 雇用: 論文出版により利益を得たり失ったりする可能性のある企業によって、最近(研究プロジェクトに従事している間)、現在、あるいは将来的に雇用されること
3) 個人的な金銭的利益: 論文出版により金銭的利益を得たり失ったりする可能性のある企業の社債や株、金銭的利益を得たり失ったりする可能性のあるコンサルタント費やその他の報酬、論文出版によってその価値が影響を受ける可能性のある特許、または特許申請。


利益相反問題2
Tissue Eng Part A. 2011 Jun;17(11-12):1507-15. doi: 10.1089/ten.TEA.2010.0470. Epub 2011 Apr 12.

Development of osteogenic cell sheets for bone tissue engineering applications.

Pirraco RP1, Obokata H (小保方晴子, Iwata T, Marques AP, Tsuneda S, Yamato M (大和雅之, Reis RL, Okano T (岡野光夫.
  • 1Institute of Advanced Biomedical Engineering and Science, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan.

東京女子医大の岡野光夫教授が責任著者の上記のTISSUE ENGINEERING誌論文(小保方晴子氏は第二著者)はセルシード社の関連の深い細胞シートに関する研究の報告をしています。
そして、論文出版当時、岡野教授はセルシード社大株主で役員でした。
しかしながら、岡野光夫教授らは論文中において、これらの事実に反して、金銭的利益相反を否定しています。
具体的に説明すると、Tissue Eng Part A誌( 17(11-12), 1507-1515.)論文中の "Disclosure Statement"の項目に、 "No competing financial interests exist." との虚偽記載があります。

なお、セルシード社ホームページのBone marrow stromal cells(骨髄間質細胞)の項でも、このTissue Eng Part A誌( 17(11-12), 1507-1515.)の論文は紹介されています。


利益相反問題3
 小保方晴子氏ら理研、チャールズ・バカンティ教授らのハーバード大学医学部ブリガム&ウィメンズ病院、大和雅之氏の東京女子医科大学は、共同で、STAP細胞に関わる国際特許(WIPO Pub. No.: WO/2013/163296:HTMLPDF)を出願しています。
  問題1で述べたように、特に、Natureグループの雑誌では、このような利益相反事項(論文掲載の可否によって価値が変わるような特許を出願している場合など)は、論文投稿の際に開示する義務があります。 
 しかしながら、小保方晴子氏らは、下記のように、Nature Articleの論文疑惑論文1)において、"金銭的利益相反(Competing financial interests)は無し"と明記しているのです。小保方氏らは、Natureが定義している”Personal financial interests(個人的な金銭的利益)”の項目に違反しています。一方、「職務発明の対価は法人が決めるので、本件は、Natureの規約の"個人の金銭的利益(Personal financial interests)"には該当しない」と擁護する意見もあります。しかしながら、東大理学部教授のRobert Geller氏は、「例えば投稿時に編者にそう説明したて編者がそれを認めたら問題ないですが、いまそれを言うなら詭弁でしょうね。」と述べています。
  
↓ Nature Articleの論文より引用 
Competing financial interests
The authors declare no competing financial interests.



以下、関連するツイートを参照してください。